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家紋の話あれこれ2014年
39,家紋で紅葉狩りA
紅葉には大きく分けて、赤く色づく紅葉、黄色く色づく黄葉、茶褐色になる褐葉の三つに分けられます。 紅葉の代表格が楓なら、黄葉の代表格は銀杏と言えるでしょう。 (右の写真は違います。丁度いい銀杏の写真が見つかりませんでした。^_^;) |
「楓紋」の使用家が少ないのに対し、「銀杏紋」を多くの家で使用されています。 銀杏は「公孫樹」とも書きますが、これは種をまいても、実を付けるのは孫の代になる木という意味で、このことから銀杏は「長寿の木」とされます。 また、銀杏は水分を多く含むため、火災にあっても水を噴いて枯死しない、と言われます。 |
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中輪に一つ銀杏 |
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このため、防火樹として神社の境内によく植えられ、大木となるとご神木として祀られるようになります。 家紋として最も多く使用されている「銀杏紋」は「三つ銀杏」です。 確かに特徴的な形の葉は、丸い家紋にする際、三つ並べるのが一番収まりがいいように見えます。 |
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三つ銀杏 |
三つ寄せ銀杏 |
三つ割銀杏 |
三つ組合せ銀杏 |
楓紋がそうだったように、文様としてもよい形の葉は、様々にアレンジされ、美しい家紋となりました。
抱き銀杏 |
違い銀杏 |
陰陽銀杏 |
二つ追い銀杏 |
頭合せ三つ銀杏 |
糸輪に蔓三つ銀杏 |
六角三つ銀杏 |
四つ銀杏菱 |
五つ銀杏 |
五つ追い銀杏に花菱 |
九つ銀杏 |
銀杏蝶 |
徳川家康の父、「瑞雲院」の廟所である松応寺には「剣銀杏紋」が付けられているそうです。 「日本紋章学」を記した沼田博士は、徳川家の本紋は銀杏紋で「葵紋」は、松平氏を継いだので用いたと思われる、と述べています。 |
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三つ剣銀杏 |
また、融通念仏宗の宗紋には、葉脈のない五つ銀杏が使用されています。 |
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融通念仏宗五つ銀杏 |
家紋の中には、楓や銀杏の他に紅葉する木々があり、楓の様に、赤く紅葉する樹木としては、南天、桜、柿、山葡萄、蔦などの家紋があります。 銀杏の様に黄色く黄葉するのは、萩や栗、柘榴。 茶褐色に褐葉するのは柏など。 |
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抱き南天 |
葉付き裏桜 |
抱き柿の葉 |
下り葡萄 |
萩の枝丸 |
三つ栗 |
三つ追重ね柏 |
銀杏は中国語で「鴨脚」とも書くそうです。確かに葉の色と形が、鴨の足に似ていますね。
楓が蛙の手、銀杏が鴨の足と考えると、色づいた葉もなんだか面白くも見えます。
年も押し迫ってまいりました。
来年もまた、よろしくお願いします。
38,家紋で紅葉狩り@
家紋の素材として、植物が多く使われています。 花はもちろん、木々もたいへん多くの種類が、家紋の素材となってい ます。 「紅葉」と書いて「もみじ」と読むのは、なんとも風流ですが、「楓」と 書く場合もあります。 「楓」は「かえで」だよ、と言われると「あっそうか・・・」となりつつ、「あ れっモミジとカエデってどう違うっだけ・・・」 ハイ、私でした。 |
「紅葉」「もみじ」とは、主に落葉広葉樹が落葉の前に葉の色が変わる現象のこと(Wikipedia) 「モミジ」と呼ばれる樹は、カエデ科に属するものが多いようです。 家紋で「楓紋」あるのに、なぜ今までそんなことも知らなかったのか、と叱られそうですが、実はほとんどの家紋帳で左の家紋は、「楓(もみじ)(もみぢ)」と書かれているのです。 |
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楓 |
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家紋の解説書や研究書では、「楓(かえで)」もしくは「紅葉(もみじ)・楓(かえで)」という分類の仕方が多いので、家紋の名称としても「楓(かえで)」が正しいと考えた方がいいようです。 楓(かえで)という名称は、葉の形が「カエルの手」に似ていることからついたそうです。(ただし、ほとんどのカエルの指は前足4本、後ろ足5本と言うことなので、何んとなく似ているって程度なのでしょう。) 家紋の楓紋は、ほとんど葉が7本にわかれています。 |
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水に楓 |
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「楓紋」は、古くは「太平記」にも記載があることから、古い歴史がある家紋です。 美しい色と形が、着物の模様に使用され、家紋となっていったと考えられますが、使用家は、あまり多くはありません。 これは「赤くなって散る(落ちる)」のが、武家に好まれなかったのではないか、と推察されます。 |
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楓枝の丸 |
三つ割楓 |
糸輪に覗き楓 |
抱き楓 |
尻合わせ三つ楓 |
杏葉楓 |
楓菱 |
美しい形と色彩の楓は、家紋としても華やかさに満ちています。
弊社がある静岡県は、高地を除けば、大変温暖な気候です。
我が家の楓はまだ、色づきかけたところでこれから楽しめそうです。
37,NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」
久しぶりの更新です。 ホームページのサーバーを移転しなければならなくなり、その関係で、ホームページ作成ソフトも、新しくせざる負えず・・・。 もともとパソコン苦手な私にとっては、実に大きなハードルになってしまい・・・。 お恥ずかしいことに、こんなに時間がかかってしまいました。 |
珍しい家紋だな、と思いましたのは、片岡鶴太郎さん演ずる「小寺 政職」の「藤橘巴」という家紋です。 「黒田官兵衛が「藤巴」を家紋としたのは、「小寺家」が藤巴紋を使用していた為、という話を読んだことがありましたが、ドラマの中の鶴太郎さんはナントモ情けない感じで、「アレジャアなあ」と思っていたら、「黒田藤」を家紋としたくだりも、納得させるものになっていました。 |
参考文献 泡坂妻夫著「家紋の話〜上絵師が語る紋章の美」新潮社、丸山浩一著「家紋由来帳」日栄出版、本田總一郎監修「新集家紋大全」梧桐書院、千鹿野茂著「日本家紋総鑑」角川書店、丹羽基二著「家紋と家系事典」講談社、加藤秀幸解説「別冊歴史読本 日本の家紋6000」新人物往来社、大隈三好著「家紋辞典」金園社、澤等監修「イラスト図解 家紋」日東書院 他(順不同、敬称略)
※本ホームページ上の記載内容について、誤り等がありましたら、それは本ホームページの管理者である私の責任であります。まだまだ、知識が足りない点はご笑赦ください。