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家紋の話あれこれ2011年


28.笑点 〜大喜利〜 噺家さんの定紋


昨年はきれいに赤く色づいた楓が、今年は異常気象や台風の影響か、何とも侘しい色になったばかりでなく、何んと新緑の葉が付いてしまいました。

近所では、桜の花も狂い咲きしており、季節感がおかしくなってしまいそうです。

先日、久しぶりにテレビで「笑点」を見ました。
確か私が子供のころからやっていたし、「今でもやっているんだぁ」と懐かしく思いました。


それもそのはずで、なんでも今年で45周年を迎える長寿番組なのだそうです。


日本テレビ  笑点web    http://www.ntv.co.jp/sho-ten/index.html


「笑点」といえば「大喜利」をすぐ、頭に思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?


数名の落語家さんたちが、「お題」に対して機知を利かせた答えを返す、といったもので、フジテレビの「IPPONグランプリ」も同じ形式で行われています。


現在の司会者は「桂 歌丸」さん。
深緑色の紋付きを着ています。

定紋は「丸に木瓜」。

「笑点」開始の時から「大喜利」のメンバーを務め、現在は六代目司会者、いわば「ミスター大喜利」。

今年で「噺家生活60周年」だそうです。
       丸に木瓜
歌丸師匠の隣りは「三遊亭小遊三」さん。
水色の紋付きで、定紋は「高崎扇」です。

少しワルい雰囲気が持ち味ですが、以外にも体育会系だそうです。

高校、中学と卓球部に所属し、世界ベテラン卓球選手権大会にも数回出場する腕前とのこと。

東京と長野、二つのオリンピックの聖火ランナーも務めたことがあるそうです。
        高崎扇
小遊三さんのお隣は、三遊亭好楽さん。ピンクの紋付きです。

一門の定紋は「三つ組み合橘」ですが、圓楽さんとかぶってしまうため、笑点では「八角持ちに片喰」の定紋を付けています。

かなり豪快な性格のようで、ご本人いわく「23回破門された」そうですが、時間がたつとなし崩し的に、復帰が認められていたそうです。
     八角持ちに片喰
好楽さんのお隣の林家木久扇さんで、黄色の紋付きに定紋の「中陰光琳蔦」を付けています。

「喜久蔵」さんの名前のがずいぶん長かったため、「木久扇」さんといってもいまだにピンときませんが、笑点ではずっと「キクチャン」と呼ばれていますね。

いまだに元気でお若いのですが、実は歌丸さんと一つ違いの74歳といいますから驚きです。
      中陰光琳蔦
木久扇さんのお隣は、眼鏡が似合う春風亭昇太さん。銀色の紋付きで、定紋は「五瓜唐花」。

昇太さんは、弊社のある富士市のお隣、静岡市清水区の出身です。

まだ独身であることから、笑点でよくその事をネタにされていましたが、50歳の大台にのってから、ご本人いわく「シャレにならなくなって」しまったそうです。
      五瓜唐花
昇太さんのお隣、一番左に座るのは三遊亭圓楽さん。紫の紋付きに、定紋「三つ組み合橘」を付けています。

現在の圓楽さんは6代目ですが、5代目圓楽さんは長く笑点の司会をしていました。
6代目圓楽さんも「楽太郎さん」といった方が、すぐ顔が思い浮かぶ人も多いかもしれません。

青山学院大学法学部卒、IQは170といいますからスゴイですね。
    三つ組み合橘
圓楽さんのお隣は、オレンジ色の紋付きに「花菱」の定紋を付けた「林家たい平」さん。

武蔵野美術大学 造形学部卒という異色の経歴の持ち主で、昭和64年12月6日生まれ、大喜利メンバーの中では最年少となります。

現在、武蔵野美術大学の客員教授も務めているそうです。
        花 菱
布団運びの掛かりは山田隆夫さん。赤い紋付きで、「剣片喰」を付けています。

元「ずうとるび」と言っても、若い方は知らないかもしれませんが、NHK紅白歌合戦に出たこともあるグループです。

実は、落語の修業もしていて「鈴々舎鈴丸」という名前も持っているのですが、まだ前座にもなっていないため、本名で出演しているそうです。

プロボクサーのライセンスも取得しているというのも意外な感じがしますね。
       剣片喰
「丸に左三階松」。
これは先日亡くなった立川談志さんの定紋です。

ご存知の方は多いでしょうが、立川談志さんは初代の笑点大喜利の司会者です。

ルール作りから携わったとのことですから、言ってみれば「大喜利」の生みの親と言っていいのでしょうね。

ご冥福をお祈りします。
    丸に左三階松

ところで、「大喜利」で噺家の皆さんが着ている派手な紋付き。


元は、テレビのカラー放送用に、色調を調節しやすくするためだったとか。


普段の高座では、もっと地味な着物を着るそうです。








27.なでしこJAPAN!



女子サッカーワールドカップ2011優勝っ!


なでしこJAPANがやりましたっ。


本当は、全く違う内容の記事を、書きかけていたのですが、それどころじゃありません。


幸い祝日の未明でしたので、頑張って起きて、しっかり見ることができました。いやぁいい試合でした。


こんな時に、撫子の家紋の話をしないで、いつしようと言うのでしょう。


というわけで、今回は「撫子(なでしこ)」のお話です。

撫子と言われる花にもいろいろと種類がありますが、主に家紋に使用されているのは「大和撫子(やまとなでしこ)」と「「石竹(せきちく)」です。

家紋で「撫子」というと「大和撫子」を指します。

「大和撫子」は別名「河原撫子(かわらなでしこ)」とも呼ばれ、山や河原に自生しています。

「なでしこ」の名称は「子のように撫でたくなるかわいい花」からきていると言われます。
        撫 子 大和撫子 写真 http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/BotanicalGarden/HTMLs/nadesiko.html

「石竹」は別名「唐撫子(からなでしこ)」とも呼ばれ、その名の通り、大陸から観賞用として渡来しました。漢名は「瞿麦(くばく)」と言います。

「大和撫子」に比べ、花弁にある切り込みが浅いので、実物でははっきりと「大和撫子」との違いがわかります。

日本に入ってきたのは、平安時代と言われ、観賞用として、品種改良も盛んに行われました。

家紋としては、「撫子」に比べ、花弁の外縁が円に沿っていますが、紋帳によっては、ほとんどその差がないものもあります。
        石  竹 石竹 写真 http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/BotanicalGarden/HTMLs/sekitiku.html
「江戸撫子」紋は、「撫子」紋よりさらに花弁が尖っています。

「江戸撫子」は、「平安紋鑑」に記載されていますが、「尖り撫子」の名称で記載されている書籍もあります。

撫子には、「大和撫子」「石竹」以外にも、数多くの種類があるので、他の「撫子」を図案化したものなのか、どうかはわかりません。
      江戸撫子
また、紋典という紋帳には、「変わり撫子(岩菲がんぴ)」という家紋も記載されています。

「撫子」紋は一つの花弁に、七つのギザギザがありますが、これはより、花弁のギザギザが二つ少なくなっています。

「岩菲」は中国原産の撫子科の花で、別名「剪春羅(せんしゅんら)」とも呼ばれます。

花の形はむしろ、石竹に似ています。

岩菲 写真 http://soborin.exblog.jp/11261204/
    変わり撫子(岩菲)
撫子の家紋の武将と言うと、美濃の「斎藤道三」が有名です。

猛将と恐れられた斎藤道三に、優しげな「撫子」は不似合いな気もします。

斎藤氏の先祖は、代々伊勢神宮の斎宮頭であり、霊意が強いと言われる撫子の花は、神仏への手向けの花として、よく使われた事から、神社関係者に家紋として、使用されたのでしょう。

「撫子紋」は現在も、「斉藤家」の家紋として、多く使用されています。
      撫子枝丸
また、撫子紋の使用家としては、「秋月家」があり、「秋月撫子」が有名です。

三つ盛りとなった「撫子」は、まるで群生している様子が、目に浮かぶようで、なんとも風流です。


撫子は、薬草としても用いられ、種子は、利尿剤、通経剤としての効能があるそうです。
      秋月撫子
撫子の花言葉は、「純愛」「大胆」「勇敢」。

日本女性の代名詞となっているのですから、「しとやかさ」や「奥ゆかしさ」を感じさせる言葉かと思いきや、以外にたくましい花ことばです。

やはり、そのくらいの強さがなければ、世界一にはなかなかなれるものではないでしょう。

でも、帰国後、いろいろなテレビに出演したり、様々な裏話を聞くと、新しい日本の女性の美しさを感じさせました。

撫子は、秋の七草の一つでもあります。
   糸輪にのぞき撫子

秋以降、「なでしこリーグ」が、一過性の盛り上げりで終わることなく、元気に活躍できるよう、応援したいと思います。




そして、チョッと欲張ったことを言わせてもらえば、2012年ロンドンオリンピックでもきれいなメダルが取れたらいいな、とも思います。








26.地震


3月11日、事務所2階で立って作業をしていると、あまり経験したことのない違和感を感じました。

これは「めまい」か?

それくらい、ゆっくりしたストロークで、幅の広い揺れでした。


すぐにラジオや携帯電話のワンセグで、状況を確認し、東北地方を震源とした地震であることが分かりました。

しかし、あの揺れが、このように恐ろしい災害の余波であるとは、想像もできませんでした。




被災された方々に、心からお見舞い申し上げます。


そして、私ができることは何かをよく考え、行動していきたいと思います。






25.蔵開き



わが社のある富士市のお隣、富士宮市にはお酒の蔵元が4つもあります。


美味しくて豊富な、富士山の伏流水が、美味しいお酒を造るのに適しているのでしょう。




その蔵元のうちの二つが、私の妻の実家のある、上野地区というところにあり、2月6日、蔵開きが行われました。


富士宮市観光協会 日本一の蔵開きHP http://www.fujinomiya.gr.jp/special/kurabiraki2011.html


しばらく、妻の実家にも顔を出していなかったので、一族郎党そろって出かけてみました。


「上野の里まつり2011 酒蔵めぐり」として、昨年から二社と地区合同のイベントととして、行われています。

まず、「牧野酒造」さんに行ってみました。
牧野酒造さんHP 
http://www.makino-shuzo.com/

沢山の人で、大変な賑わいです。 
門をくぐると、蔵元の玄関で試飲用のプラスティックの小さなカップをくれます。

玄関の上の軒先には、蔵元の象徴ともいえる「杉玉(酒林・さかばやし)」が吊るされています。
この「杉玉」は、杉の葉を集めてボール状にしたもので、新酒の「搾り(しぼり)」を始めたことを知らせる役割があります。

吊るされたばかりの「杉玉」は、青々としていますが、次第に枯れて、茶色がかってきます。

この色の変化で、新酒の熟成具合を、人は知ることができます。
無料試飲のコーナーもあり、新酒の樽酒をいただくことができます。

さわやかな飲み口の新酒は、大変おいしかったのですが、同じく無料で振舞われていた甘酒も、「さすが蔵元で出す甘酒だなー」と思わせる美味しさで、妻は早速、酒粕を購入していました。

敷地内には、静岡おでんや富士宮焼きそば、特産のニジマスなどの屋台が沢山設置されており、その場で食べることもできます。
もちろんお酒も、大吟醸から濁り酒まで、有料試飲や販売コーナーがあるので、飲兵衛には至福の時間となります。
もうひとつの蔵元、「富士正酒造」さんまでは、わずか800mほどしか離れていません。

のんびりした田舎道を、富士山を眺めながら歩くのは、とても気持ちがいいものです。

富士正酒造さんHP 
http://www.fujimasa-sake.com 
「富士正酒造」さんも、たいへんにぎやかです。

こちらも初めに、受付で試飲用のカップを戴いて、奥に進みます。
やはり、新酒と甘酒が、無料で振舞われます。

こちらの新酒は、コクと旨みが強く、「牧野酒造」さんの新酒とは違うおいしさでした。

また、ここの甘酒も大変おいしくて、何んと妻は、ここでも酒粕を購入していました。
奥に見えるナマコ壁の蔵とステンレスのタンクが、対照的で、ふしぎな感じがします。



こちらでも、様々な美味しいものが販売されています。
一度食べてみたかった「しらすコロッケ」もあり、早速購入試食してみました。

私の地元である、田子浦漁協が開発商品化した物で、生臭さは微塵も感じられず、とてもおいしかったです。

明るいうちから飲むお酒は、美味しくて、しかもよくマワリます。


いい気持ちで妻の実家に戻り、B級グルメグランプリ二連覇の「富士宮焼きそば」と、富士市吉原商店街で売り出し中の「つけナポリタン」を食べました。




・・・・・・・と、今回は全く家紋の話が出てきていませんので、最後にお酒に関わりのある家紋を二つばかり。


「瓶子(へいじ・へいし)」とは、水やお酒などを入れる焼き物のビンのことですが、家紋となっている物は、神供用の酒器です。

袋で包まれているので、「袋紋」と似ていますが、縦長で底が平らになっているので、容易に区別はつきます。

神社関係者が多く、使用したと言われます。
       並び瓶子
「盃」とも「杯」とも書きますが、「酒(さけ)」を注(つ)ぐ「器(き)」から「さかづき」と言います。

奈良時代に、貴族の間で始まった「曲水の宴(ごくすいのえん)」という、風流な遊びから、家紋に取り入れられるようになったと、言われており、瑞祥的意味から使用された、とされますが、そのお趣深い形状も、大きな理由でしょう。
      三つ重ね盃

酒飲みの憧れの一つに、「息子(娘)が大きくなったら、一緒に一杯やる」というのがよく言われます。




我が家の場合、息子も娘も、「早く二十歳になって、飲兵衛になりたい・・・・」などと、どうやら本気で言っているので、今から戦々恐々としています。




そうでなくても、我が家の家計は、エンゲル係数高めなのですから・・・。










24.NHK大河ドラマ「江〜姫たちの戦国〜」


今年のNHK大河ドラマは、織田信長の姪で、2代将軍・秀忠の妻、3代将軍・家光の母となる、「江」が主人公です。

主演は上野樹里さん。

「スイングガールス」や「のだめカンタービレ」のハジケタ演技が話題になりがちですが、私としては、性同一性障害に悩む女性を演じたTVドラマ「ラストフレンズ」がとても印象的でした。


「江〜姫たちの戦国」公式HP http://www9.nhk.or.jp/go/about/index.html
     社屋横のロウ梅

大河ドラマは毎年、家族もみな楽しみにしていて、なるべくそろって観るのですが、今年はなかなかリアルタイムで観ることができず、録画を後から観て、ようやく4話目に追いつきました。


今のところ、我が家の(女性陣の)話題は「トヨエツの信長がカッコいい」ということになります。


 


確かにカッコイイ・・・。




織田信長は、今までいろいろな役者さんが演じてきましたが、また新しい信長像と言えそうです。


織田信長の家紋というと「織田瓜(おだうり)」が有名です。

信長はほかにも、「永楽銭」や「引き両紋」も用いたようで、ドラマの中にも、これらの紋は度々登場します。

この「織田瓜」。

「織田木瓜(おだもっこう)」または「五つ木瓜」とも呼ばれることがあり、「木瓜紋」のバリエーションの一つとも言えますが、紋帳では、「瓜(か)」の項目に、「五瓜唐花(ごかからはな)」など共に記載されています。
      織田瓜 そもそも、「瓜」は「木瓜」の外周の文様を意味します。
「木瓜」の由来は諸説ありますが、大陸から伝わった「か(穴かんむりに果の字)」という模様が原型である、という説が最も有力とされています。

これは、鳥が地上に作る巣をモチーフにしている、と言われています。

この「か模様」は、平安時代後期、徳大寺家が好んで車や衣装に用いたとされており、「徳大寺木瓜」が、その模様に近いものであると考えられます。
    徳大寺木瓜 中に花が散りばめられており、とても華やかな家紋です。
神社の御簾(みす)の縁取りである「帽額(もこう)」に、この「か模様」がよくつかわれたことから、「もこう」と呼ばれるようになり、「木瓜」の当て字が使われるようになった、と言うわけです。

紋帳では、四弁の場合を「四方木瓜」、五弁の場合を「五瓜唐花」と違う種類のように分類しています。

しかし、「唐花」も、実在の花をモチーフにしているわけではなく、大陸伝来の模様からきているものですから、「木瓜紋」も「五瓜唐花紋」も、同系列の家紋と言えます。
    四方木瓜
「五瓜唐花」と「織田瓜」を比べると、「織田瓜」の方が周りの「瓜」が丸く、中の唐花も、太い線で描かれています。

家紋の構成自体は同じで、その違いは「曖昧」とも言えます。

しかしながら、あえて「織田瓜」と「五瓜唐花」を区別するのは、「織田信長」という稀代の武将への、畏怖と敬意の表れかもしれません。
    五瓜唐花
「木瓜」は、家紋の中でも大変美しい、完成度の高い家紋と言えます。

普通、「木瓜」と言えば横に長い「横木瓜」を指ます。

使用家も多く、家紋の代表選手、といった感じです。

大陸から伝来した「か模様」は、長い時間をかけ、日本固有の家紋「木瓜」へと進化したのです。

織田信長役の豊川悦司さん。


役柄上、家臣に一方的な暴力を加えるシーンが多いのですが、インタビューの中で、


岸谷さん(豊臣秀吉)は別に殴ろうが蹴ろうがいいんだけど(笑)市村さん(明智光秀)は嫌でしたねぇ・・


というようなことおっしゃっていました。市村さんは「何やってもいいよ」と言ってくれたそうですが。


俳優さんも、やっぱりそういうこと、気にするんですね。





参考文献  泡坂妻夫著「家紋の話〜上絵師が語る紋章の美」新潮社、丸山浩一著「家紋由来帳」日栄出版、本田總一郎監修「新集家紋大全」梧桐書院、千鹿野茂著「日本家紋総鑑」角川書店、丹羽基二著「家紋と家系事典」講談社、加藤秀幸解説「別冊歴史読本 日本の家紋6000」新人物往来社、大隈三好著「家紋辞典」金園社、澤等監修「イラスト図解 家紋」日東書院 他(順不同、敬称略)


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