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家紋の話あれこれ2016年


このページでは、家紋についての話をあれこれ書いていきたいと考えています。


お客様からよくあるお問い合わせに関することや、家紋を使う際の基礎的な知識、珍しい家紋のご紹介などを、少しずつ書き加えていきたいと思います。


※新しい記事が、一番上に来るようになっています。



45,NHK大河ドラマ「真田丸」


今年のNHK大河ドラマは「真田丸」。

戦国武将「真田幸村」が主人公となります。

真田の家紋は、「真田六文銭」と呼ばれ、ドラマでもタイトルバックから劇中の様々なシーンに登場します。

この紋は、真田家の独占紋ではなく、家紋の名称としては「六連銭」が正しい名称になるのですが、あまりにも「名将真田家の家紋」として有名な為、紋帳にも「真田六文銭」として記載されています。

真田六文銭


NHK大河ドラマ「真田丸」公式HP http://www.nhk.or.jp/sanadamaru/


銭紋の歴史は古く、13世紀に描かれたとされる「蒙古襲来絵詞」で「城次郎」が「六連銭」の旗印を翻しています。

ドラマの序盤にも登場した「織田信長」も、有名な「織田瓜(五瓜唐花・織田木瓜)」の他に、旗印として「永楽銭」を使用しました。

部下の将士にも広く分け与えたため、織田家に仕えた武家にも「永楽銭」の家紋は、広く使用されています。
永楽銭


国産の初の貨幣「和同開珎」が作られたのが、708年。

その後もたびたび貨幣は造られましたが、なかなか流通が定着せず、国産貨幣の製作は、安土桃山時代まで、放棄されていきます。

しかし、中国産の貨幣は続々と流入してきたため、それらで台用されていきました。
銭紋には大きく分けて、文字の描かれた「有紋銭紋」と文字のない「無紋銭紋」に分けることが出来ます。

「永楽銭」や「寛永銭」といった「有紋銭紋」が、家紋として使用された理由は、縁起の良い漢字が描かれていたからと考えられます。
寛永銭

また、銭の持つ実利的な効用や、吉祥が主眼とされたとも言えます。

しかし、「真田家」が用いた「真田六文銭」にはもっと別の理由があるとされています。
裏銭

死者があの世に旅立つ時、「三途の川の渡り賃」として、銭六文を棺に入れる、という風習からとったものとされます。

「三途の川の渡し賃」と言うと、死後、三途の川の,賽の河原船着き場から、「三途の川客船」の乗船券として、船頭さんに支払う運賃のようなイメージが湧きますが(えっ湧きませんか?)、本来、仏教の「地蔵信仰」の「六道銭」に由来します。
裏浪銭

「六道」とは、衆生が善悪の業によって彷徨う、「六つの世界」を言います。

六つの世界とは、「天道」「人間道」「修羅道」「畜生道」「餓鬼道」「地獄道」を言います。
天保銭@

この衆生を救済してくれるのが、地蔵菩薩である、という信仰です。

地蔵様は、六道のそれぞれの巷に現れ、彷徨う衆生を導いてく下さる、と言います。

その際の「お賽銭」という訳です。
阿部銭

地蔵信仰は古くから、戦で多くの殺生をした武士の間で、盛んに信仰されていました。

殺生は罪であり、死んだ後、地獄で無限の責め苦に合わなくてはならない、そのような者でも救ってくれるのは、地蔵菩薩であると考えたのかもしれません。

真田家が家紋として、六文銭を使用したのは、戦に次ぐ戦で、殺生を続けなければならない自分たちの、決死の覚悟を表しているのかもしれません。
立六連永楽銭


銭紋には、複数枚を星紋と同じ様に配置した家紋も多く見られます。

それぞれの意味は、星紋と同じ吉祥の意味に、銭紋の有用吉祥的意味を加えたものと考えられます。

三つ盛文銭
七銭
長谷部銭


銭紋は紋帳に10〜28種類程度記載されていますが、実際に家紋として使用されているものは、あまり多いとは言えません。

替え紋として使用されているか、紋のデザインとして面白味がある、ということから記載されていると考えられます。

裏表文久銭
天保銭A
六つ捻じ銭


大河ドラマ「真田丸」の中で、堺雅人さん演じる主人公「真田信繁(幸村)」以上の存在感を見せているのが、草刈正雄さん演じる、幸村の父「真田昌幸」。

必死で家の存続のために頑張っているのに、行き当たりばったりというか、適当というか、自分で、「俺は勘だけで生きてる!」と言い切ってしまうコミカルな雰囲気が、最高だと思います。

私の中で今まで「草刈正雄」さんのイメージは、1977年のテレビドラマ「華麗なる刑事」。

当時は「ハンサム」「カッコイイ」「イイ男」の代名詞だった草刈さんが、「三菱ギャランλ(ラムダ)」に乗り、44マグナムをぶっ放すのに、心躍らせました。


実は草刈正雄さんは、31年前、1985年放送のNHK連続ドラマ「真田太平記」では、真田幸村を演じていたそうです。

私は「真田太平記」の記憶はないのですが、その時真田昌幸を演じていたのは「丹波哲郎」さん。

草刈さんの昌幸は大好きですが、丹波さんの昌幸も見てみたいと思いました。

少し前になりますが、今年も富士宮市上野地区の、「蔵開き」に言ってきました。

牧野酒造さんと、富士正酒造さんをめぐり、昼間から美味しいお酒や食べ物をいただきました。

今年から、「土井ファーム」さんという、牧場直営のジェラートのお店も協賛して、例年以上に、にぎやかにでした。

この記事のトップの富士山の写真は、その際に撮影したものです。
いつもとアングルが違うことがおわかりいただけますか?


いいお天気の下、のどかな田園の中を、昼間から酔っ払いながら歩くのは、とても気持ちよかったです。

まさに「背徳の喜び」というやつですね。




様々な家紋(家紋一覧)に、『大河ドラマ「真田丸」 登場人物の家紋』を追加しました。



参考文献  泡坂妻夫著「家紋の話〜上絵師が語る紋章の美」新潮社、丸山浩一著「家紋由来帳」日栄出版、本田總一郎監修「新集家紋大全」梧桐書院、千鹿野茂著「日本家紋総鑑」角川書店、丹羽基二著「家紋と家系事典」講談社、加藤秀幸解説「別冊歴史読本 日本の家紋6000」新人物往来社、大隈三好著「家紋辞典」金園社、澤等監修「イラスト図解 家紋」日東書院 他(順不同、敬称略)


※本ホームページ上の記載内容について、誤り等がありましたら、それは本ホームページの管理者である私の責任であります。まだまだ、知識が足りない点はご笑

赦ください。